「まっくろいたちのレストラン」読みました。恋の絵本シリーズの第3作目です。
森で一人きりで暮らすまっくろいたち。両親もいません。
「こんな キバだから きっと おやも こわがって にげたんだ」
そう思うといたちはいつも悲しい気分になるのです。
一人ぼっちのまっくろいたちは誰かと繋がりたくて、森にレストランを開きます。レストランは大繁盛。たくさんお客さんが来てくれるのに、まっくろいたちはキバが辛くてずっとみんなに背を向けたまま。まっくろいたちの寂しさは癒えません。
そんなある日、谷の向こうのうさぎのお嬢様がお客としてやってきます。「どうして うしろを むいてしまうのですか?」無邪気に尋ねるうさぎ。
その晩、まっくろいたちは眠れませんでした。少しづつ変わっていくまっくろいたち。だけど、うさぎには婚約者がいたのです。そして、レストランを襲う怖いワシ。
「キバがやっとやくにたった」。まっくろいたちはうさぎとお客をワシから守り深い傷を負ってしまいます。
そして春が訪れ…。初めてまっくろいたちはボロボロ泣きました。
どちらかというと大人向けの絵本かなと思います。自分のコンプレックス。克服しようとするけれど、なかなかうまくいかない。辛い寂しい救われたい隠したい。
だけれど、欠点は裏を返せば長所にもなりえます。まっくろいたちは見事、コンプレックスを武器に変えます。そして、手に入れる幸せ。
だけれど、欠点を長所にしたから恋が報われたのか?と考え直してみます。
もしかすると、欠点は欠点のまま愛されているのではないでしょうか。大切なもののためなら欠点をさらけ出してもかまわない。長所に変えるのではなく、欠点を見せる強さ。自分が自分の欠点を受け入れた時、相手もまたそれを受け入れてくれる。その気持ちが大切なのかもしれないと思ったりもするのです。
恋の絵本 (3) まっくろいたちのレストラン (恋の絵本 3)
島本 理生 (著), 瀧井 朝世 (編集), 平岡 瞳 (イラスト)
出版社 : 岩崎書店 (2020/5/15)
その他の恋の絵本シリーズはこちらです。
■恋の絵本1作目
■恋の絵本2作目
■恋の絵本4作目
■恋の絵本5作目
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